地方自治法157条に関する歴史的検討

書誌事項

タイトル別名
  • History and Issues of Article 157 of the Local Autonomy Act
  • チホウ ジチホウ 157ジョウ ニ カンスル レキシテキ ケントウ

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説明

地方自治法157条によって地方公共団体の長に与えられている公共的団体等に対する総合調整のための権限は,戦時情勢が厳しくなった1943(昭和18)年の市制・町村制の改正時に起源を有する。その趣旨は,戦時情勢への対応のために,市町村内で各種団体が行っていた諸活動を,効率化と総合調整の観点から,市町村長の一元的な統轄の下に置き,一致協力させることにあった。終戦後においても市町村長の権限は,より強化される形で存続し,地方自治法の制定により総合調整主体として都道府県知事も加えられることになった。こうした展開をたどった同条は,地方自治をめぐる現代的な展開下において,公的事項の担い手としての公共的団体等と地方公共団体の間に指揮監督関係を一般的に設定することで,公共的団体等の活動に対して支援を行う局面であっても,法的制約を併存させ,また理論的な混乱を与える要因となるため,再吟味の必要がある。

収録刊行物

  • 法学新報

    法学新報 130 (7-8), 285-310, 2024-02-29

    法学新報編集委員会

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