結石付着により短期間に尿管ステント抜去困難となった2例
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説明
当院にて短期間に尿管ステント抜去困難となった症例を2例経験したため報告する。 1症例目は80歳代女性、X-1年11 月10日に結石性腎盂腎炎にてA病院を受診した。CTにて腎盂尿管移行部にφ12×4 mmの結石を認め、左尿管ステントを留置した上でタゾバクタムピペラシリン水和物(TAZ/PIPC)にて加療を開始した。X年2月7日A病院にて左尿管ステントを交換したのち、当院紹介となり同年4月13日に経尿道的尿路結石破砕術(transurethral lithotripsy:TUL)を予定した。その際に旧尿管ステントは石灰化のため抜去できず、セカンドステントを留置して終了した。同年5月15日に経皮的経尿道的同時破砕術(endoscopic combined intrarenal surgery:ECIRS)を行ったが旧ステントはいずれも抜去困難な状態であり、砕石を進めることで最終的に抜去可能となった。 2症例目は40歳代男性、Y年3月31日に結石性腎盂腎炎にて当院受診した。CTにて右上部尿管に15mmの結石を認め、右尿管ステントを留置した上でセフェピム塩酸塩水和物(CFPM)により加療を開始した。同年4月27日にTULを施行。その際はじめは旧尿管ステントは抜去できなかったが、結石をレーザーで半分程度破砕したところで抜去可能となった。いずれの症例も尿管ステント留置から30日前後で抜去困難となった。尿管ステント抜去困難となるリスクの高い症例では、ステント交換時期の検討や可及的速やかに砕石手術を念頭に置く必要がある。
収録刊行物
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- 市立室蘭総合病院医誌 = Journal of Muroran City General Hospital
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市立室蘭総合病院医誌 = Journal of Muroran City General Hospital 49 (1), 22-25, 2024-09-30
市立室蘭総合病院
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050583424879702016
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- ISSN
- 02892774
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB