ハタ類3種(ヤイトハタEpinephelus malabaricus、キジハタEpinephelus akaara、スジアラPlectropomus leopardus)の初期減耗要因の解明に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on early mass mortality during hatchery rearing of three grouper species, Malabar grouper Epinephelus malabaricus, red spotted grouper Epinephelus akaara, and leopard coral grouper Plectropomus leopardus
  • ハタルイ 3シュ ヤイトハタ Epinephelus malabaricus キジハタ Epinephelus akaara スジアラ Plectropomus leopardus ノ ショキ ゲンモウ ヨウイン ノ カイメイ ニ カンスル ケンキュウ

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説明

ハタ類魚類は経済的な価値が高いために種苗生産あるいは養殖に関する研究が行われてきた。しかし,ハタ類は開口時から10日齢前後に生じる大きな初期減耗が量産化を阻む大きな問題となっている。他の海産魚類では,内部栄養から外部栄養に切り替わる所謂 critical point の摂餌状態が初期生残に大きな影響を及ぼすとされている。しかし,ハタ類の種苗生産工程下における初期減耗と密接に関わっていると推察される内部栄養期の発達過程と初回摂餌を含む外部栄養に切り替わる転換期との関係は明らかにされていない。そこでまず,ハタ類3種の内部栄養から外部栄養に切り替わるまでの転換期に焦点を絞って内部栄養の吸収過程を調べた。また,その知見に基づいて,初回摂餌の遅れがハタ類の初期減耗にどのように関与しているかを調べた。その結果,ハタ類の初期減耗はcritical point の初期発育が他の海産魚類に比べて不利な条件下に置かれていることに加え,回復可能な絶食耐性時間が摂餌開始の僅か6時間と極めて短いことに起因するものと推察された。したがって,ハタ類の初期生残を向上させるためには初回摂餌に関わる最適な環境要因を明らかにすることが重要である。ハタ類のみならず,他の海産魚類のcritical point と初期減耗との関連を解明することは栽培技術だけでなく,天然仔魚の減耗要因の動態を推定する上でも大きく貢献するものと考えられる。

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