安田氏解放をめぐる「自己責任論」 : 背景にある日本の政治・社会の特性

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タイトル別名
  • ヤスダ シ カイホウ オ メグル 「 ジコ セキニンロン 」 : ハイケイ ニ アル ニホン ノ セイジ ・ シャカイ ノ トクセイ
  • “Jikosekinin-ron” on Freed Journalist YASUDA : Political and Social Factors Unique to Japan

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説明

シリアで武装勢力に3 年以上拘束され,2018 年10 月に解放されたフリージャーナリスト,安田純平氏に対して「自己責任論」による非難が向けられた。14 年前のイラクにおける日本人人質事件でも同様の状況が起きた。この「自己責任論」の妥当性を6 観点-①民主主義とジャーナリズムの関係,②国民と国家の関係,③日本人の平和観,④日本の社会的特性,⑤政府による世論操作,⑥メディアの報道姿勢-から考察した。この批判が起きたのは,民主主義とジャーナリズムの意義,そして国家と国民の関係性が日本人の間で十分に理解されていないからであり,さらに内向きで静的な日本的平和観も同氏の行動に対する理解を妨げていた。また「通俗道徳」や「世間」における,日本独特の発想・束縛も同氏へのバッシングにつながる要因であった。日本以外の国ではこうした非難は見られない。ジャーナリストとしての同氏の行動は,評価こそされ,非難には当たらない。

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