がん化学療法に伴う脱毛体験が患者の日常生活へ及ぼす影響

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タイトル別名
  • ガン カガク リョウホウ ニ トモナウ ダツモウ タイケン ガ カンジャ ノ ニチジョウ セイカツ エ オヨボス エイキョウ
  • The effects of chemotherapy-induced alopecic experience on daily living

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説明

がん化学療法に伴う脱毛体験が患者の日常生活にもたらす影響について明らかにすることを目的に,15名の患者に対して自由回答法による半構造化面接を実施した.同意を得て録音した面接内容の逐語録をデータとして,Krippendorff. Kの内容分析の手法を用いて分析を行った.分析の結果,がん化学療法に伴う脱毛体験が患者の日常生活にもたらす影響として,【脱毛した自分に違和感を感じながら人目を気にして生活する】【脱毛に備えて事前に準備する】【脱毛は仕方がないと捉え治療を受けることを優先させる】【予想以上の急速大量脱毛にがんであることの事実を突きつけられる】【時間をかけて脱毛の事実を受け入れ違う捉え方を見出す努力をする】【他者と距離を取りながら生活する】【立場,性差による脱毛の捉え方の違いを実感する】【脱毛した毛髪の処理を気にかけながら生活する】【脱毛のつらい経験から検診の啓蒙活動を行う】の9つが明らかとなった.脱毛に対して事前に十分な準備が行え,自分なりの対処法についてイメージできるよう具体的な情報提供を行うとともに,性差,治療効果や患者の治療への思いなどによって脱毛に対する捉え方はさまざまであることから,看護師はその人自身の脱毛の受け止め方や,脱毛が及ぼす生活への支障について把握し,必要な情報を提供することや患者の思いが表出しやすい環境を整えることが大切である.

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