糖尿病治療にコンプライアンス不良を示す神経性大食症例

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タイトル別名
  • トウニョウビョウ チリョウ ニ コンプライアンス フリョウ オ シメス シンケイセイ タイショク ショウレイ
  • A case of bulimia nervosa associated with poor treatment compliance for diabetes mellitus
  • 糖尿病を合併した神経性大食症例

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説明

インスリン依存性糖尿病を合併した神経性大食症例で,糖尿病治療にコンプライアンス不良を示す17歳女子例を経験した.両親は言い争いが絶えず,姉は神経性無食欲症になり,母親は姉の治療に心労を費やした.患児は幼少からさびしい思いをし,家族と信頼関係が育まれない環境で育った.離婚を契機に過食・嘔吐が始まった.患児の親権者は父親であったが,父親との生活もストレスを感じた.母親と生活をともにする日を作ったが,姉との関係も悪く満足できなかった.友人や部活動にも気を遣う学校生活から不登校になり,将来への絶望感が高まった. 離婚1年後にインスリン依存性糖尿病を発症したが,コンプライアンスは不良であり,糖尿病は悪化し白内障を合併した.家族関係障害に起因するアイデンティティ確立への葛藤や,母親をコントロールしようとする気持ちが,糖尿病治療のコンプライアンスに影響していると考えられる.

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