精神保健ボランティア活動を通した精神障がい者観の変化

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【目的】精神保健ボランティアの活動の現状と、活動を通した精神障がい者観の変化を明らかにすることを目的とした。 【方法】A県内の精神保健ボランティア445人を対象とし、平成25年8~10月に無記名式アンケート調査を実施した。所属のボランティアグループの代表者に同意を得た者にアンケート用紙を配布し、返信用封筒にて回収した。調査内容は、①基本属性(年齢、性別など)、②精神保健ボランティア活動について(きっかけ、経験年数、活動内容、活動頻度、まわりとの連携の有無など)、③精神保健ボランティアの活動前後の精神障がい者観の変化(4段階評価)とした。分析にはSPSSVer.19.0を用い、活動前後の精神障がい者観の変化についてはWilcoxonの符号付き順位検定を行った。徳島大学病院臨床研究倫理審査委員会の承認を得て実施した。 【結果】259人の回答を得て(回収率58.2%)、236人を有効回答とした(有効回答率53.0%)。対象者の平均年齢は69.9±7.7歳、男性37人(15.7%)、女性199人(84.3%)であった。精神保健ボランティアをはじめたきっかけは「何か社会の役に立ちたいと思ったから」51.5%、「ボランティアに興味・関心があった」48.5%、「精神保健ボランティア養成講座の受講がきっかけ」45.8%の順で多かった。まわりとの連携は、「自分の属するボランティアグループのメンバー」70.8%、「社会福祉協議会」54.6%の順で多かった。精神保健ボランティア活動前後の精神障がい者観の変化については、すべての項目において活動後の得点が高く有意差があった(P<0.01)。 【結論】精神保健ボランティアは活動前より後の精神障がい者についての意識が高かったことより、活動を通して自らの精神障がい者観にプラスの変化をもたらすことが示唆された。

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