アクティブラーニング型高校世界史授業の効果と受験対応に関する一考察 ―テキストマイニングを用いて―

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ALの実践報告は数多くあるものの, 高校の歴史教育では依然として講義型の授業が主流である。その背景の1つとして, 400頁におよぶ教科書のボリュームを考えて進度の懸念をしたり, 大学入試への対応を危惧していることがある。そこで, 本稿では講義+AL型の授業を行うことで単なる受け身の暗記科目ではなく, 歴史的思考力を駆使する授業としつつ, 進度も確保して受験対応も両立するような授業開発を目的とした。A高校で講義+AL型授業を2年間実施し,その効果を質問紙調査と模擬試験の結果ではかった。質問紙調査の分析にはテキストマイニングを用いて, 分析者の恣意性を排除した客観的な分析を行った。分析の結果, 生徒たちは自身の思考力や社会を捉える視点などの成長を自覚しており, 世界史を学ぶ多様な意義を自覚しつつ意欲的に授業に臨むようになっていることが分かった。また模擬試験の結果を見ても従来の講義型授業よりも講義+AL型授業の方がマーク模試やセンター試験においていい成績をおさめていたことが明らかになった。

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  • 学校教育実践研究

    学校教育実践研究 2 41-59, 2019-03-29

    島根大学大学院教育学研究科 教育実践開発専攻

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