ナショナリストの憎悪 : 第三共和政における二つのフランス

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  • ナショナリスト ノ ゾウオ ダイサン キョウワセイ ニオケル フタツ ノ フランス

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はじめに : フランス政治社会学は、イデオロギー分析を応用し、ナショナリズムを考察してきた。この方法においてナショナリズムの形態は、図式的には共和派とカトリック教会派から特徴づけられる。前者は、フランス革命以来の普遍主義的な傾向を持ち、後者は、君主制をも含意する個別主義的な傾向を持つ。こうしたフランスのナショナリズム研究は、アーネスト・ゲルナーやエリック・ホブズボーム、ベネディクト・アンダーソンなどの英米研究とは異なり、「国民的なもの」を共有しない他者への物理的あるいは象徴的な暴力の衝動、その思想と行動を分析する。このようなフランス政治社会学の傾向を引き継ぐ本稿は、普仏戦争後の領土問題とドレフュス事件を具体例に取り上げ、フランス第三共和政におけるナショナリストの精神構造を明らかにすることを目的にする。そして「政治的なもの」の発展過程3を考察の中心に据えながら、ナショナリストの憎悪はどのような精神構造に基礎づけられているのかという問いに対して何らかの解答を提出したい。……

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