Quantum chemistry on quantum computers: quantum simulations of the time evolution of wave functions under the<b>S</b><sup>2</sup>operator and determination of the spin quantum number<i>S</i>

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  • Quantum chemistry on quantum computers: quantum simulations of the time evolution of wave functions under the S^2 operator and determination of the spin quantum number S

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共有結合解離で生成するジラジカルや単分子メモリデバイスなどへの応用が期待されている単分子磁石、酵素タンパク質の酵素活性を担う金属クラスターの多くは分子内に不対電子と呼ばれる電子対を作っていない電子を持ち、開殻分子と呼ばれます。不対電子は分子内で上向きスピン(aスピン)状態、下向きスピン(bスピン)状態という2種類の状態のどちらかをとります。分子内に複数の不対電子をもつ開殻分子では、不対電子間に量子力学な相互作用が働くため、2つの電子スピンが平行に並ぶか反平行に並ぶかによってエネルギーが変わります。2つの電子スピンが平行に並ぶと分子は三重項状態(S = 1)に、反平行に並ぶと一重項状態(S = 0)にあるとして区別されます。この時の鍵となる物理量が、スピン量子数Sと呼ばれるものです。開殻分子ではエネルギーが最も低い状態である基底状態のエネルギー的近傍にスピン量子数の異なる電子状態が数多く存在しているため、基底状態のスピン量子数を決定することが非常に重要な課題となります。量子コンピュータを使うことで基底状態のエネルギーを超高速に求めることができますが、求まった電子状態のスピン量子数を明らかにしなければ電子状態を解明したことにはなりません。しかし、量子コンピュータ上で任意の波動関数のスピン量子数を決定することができる量子アルゴリズムはこれまで報告されていませんでしたが、今回初めて発見されました。

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