多発肝転移を伴う十二指腸ガストリノーマの1 切除例

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  • A Surgical Case of Duodenal Gastrinoma with Multiple Liver Metastases

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症例は81 歳の女性で,腹痛,嘔吐,下痢のため近医を受診し嚢胞性肝腫瘤,多発性十二指腸潰瘍を指摘され当院紹介となる.肝右葉を占拠する多発性囊胞性腫瘤,左葉にも早期濃染する小腫瘤を複数認め,肝生検で神経内分泌腫瘍の診断となる.小腸内視鏡で十二指腸水平部に陥凹性病変を認め,血清ガストリン高値であり,十二指腸ガストリノーマ,多発肝転移の診断となった.2 期的に手術を企図し,まず肝右葉切除,肝部分切除,ラジオ波焼灼術を施行した.早期遠隔転移が出現しないことを確認し,5 ヶ月後に膵頭十二指腸切除術を行った.病理組織診断で十二指腸ガストリノーマ,多発肝転移,#14 リンパ節に転移を認めた.現在までランレオチド投与を継続し,初回手術後4 年6 ヶ月無再発生存中である.多発肝転移を有するガストリノーマは予後不良とされているが,積極的な切除を中心とした集学的治療により良好な予後が得られた1 例の経験を報告した.

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