<研究論文>女性研究者の職業性ストレスと自我態度の特徴

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  • <Research Papers>The Characteristics of Job-related Stress Factors and Ego States in Female Researchers at an Academic Institution
  • The Characteristics of Job-related Stress Factors and Ego States in Female Researchers at an Academic Institution

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抄録

近年、女性の科学分野への進出は著しい。しかしながら、科学研究は、未だ男性優位の職域である。職業性ストレスは、職種、性別、及びパーソナリティによって異なることが、先行研究によって知られている。女性研究者は、特有のストレスに暴露されていると推測されるが、予防医学的研究はほとんどなされていない。我々は、女性研究者の健康管理のために、Brief Job StressQuestionnaire (BJSQ)とTodai-shiki Ego-gram(TEG)を用いて、職業性ストレスと自我態度の特徴を明らかにしようと試みた。BJSQでは、女性研究者は他の職種と比較して、量的労働負荷と質的労働負荷が有意に高かった。男女間で比較してみると、女性研究者は、身体的ストレス反応が有意に高かった。また、男性研究者に比し、家族や友人のサポートの不足をより強く感じていた。自我態度においては、critical parentとadultの自我態度の得点が、一般成人女性よりも有意に高かった。さらに、女性研究者を高ストレス群と低ストレス群に分けて、自我態度を比較してみると、高ストレス群では、nurturing parentの自我態度が有意に低かった。以上より、女性研究者は、特徴的な職業性ストレスと自我態度を有していることが示唆された。産業医や精神科医は、これらの特徴を踏まえながら、女性研究者に対してより適切な医学的助言を行うことが望ましいと考えられる。

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