内村鑑三の再臨運動におけるシオニズム論と植民地主義

  • 役重, 善洋
    京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程

書誌事項

タイトル別名
  • Uchimura Kanzo's Second Coming Movement and his thought on Zionism and Colonialism
  • ウチムラ カンゾウ ノ サイリン ウンドウ ニ オケル シオニズムロン ト ショクミンチ シュギ

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説明

近代日本における代表的プロテスタント知識人の一人である内村鑑三は, 第一次大戦終結前後に行った再臨運動と呼ばれる信仰運動の中で, シオニズム運動を支持する発言を繰り返した. その背景には, フロンテイア開拓を理想視するアメリカ的ピューリタニズム信仰があった. 世界的に帝国主義と軍国主義が進展するにつれ, 内村の理想主義的信仰における!日約聖書の終末イメージは強くなっていった. 内村のシオニズム支持は, 在接的には, アメリカの前千年王国論からの影響ではあったが, 同時に, 反帝国主義的な性格をもつものであった. しかし移住植民地における先住民族の権利を無視するという点とステレオタイプなユダヤ人観という点においては, ヨーロッパ・キリスト教世界の枠組みにとらわれ続けていた側面をもっていた.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 21 191-204, 2012-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

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