『大列車強盗』問題 --「映画史上, 最初の西部劇」のジャンル再考--

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  • 川本, 徹
    京都大学大学院人間・環境学研究科共生人間学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • The Great Train Robbery Controversy --Reconsidering the Genre of the "First Western Movie"--
  • 『 ダイ レッシャ ゴウトウ 』 モンダイ : 「 エイガ シジョウ,サイショ ノ セイブゲキ 」 ノ ジャンル サイコウ

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抄録

本稿は, 2013年に公開110周年を迎えるエドウイン・S・ポーター監督の『大列車強盗』の映画史的意義, ならびに位置づけを再考するものである. 長年にわたって「映画史上, 最初の西部劇」と喧伝されてきた『大列車強盗』であるが, 1984年に発表された著名な論文のなかで, 映画学者チャールズ・マッサーはこの地位に疑問を投げかけ本作を紀行映商/犯罪映画の文脈に置き直した. とはいえマッサーの論文や, それに依拠した『大列車強盗』をめぐる近年のジャンル批評の議論は, 慎重に再検証されるべき側面を苧んでいる. 先行研究の問題点を浮き彫りにしたのち, 本稿は『大列車強盗』のテクストにいま一度目を向けその象鍛体系と特異な上映形態, および両者の相互作用を考庫に入れた分析をおこなう.以上をもって, ポーター映画と西部劇ジャンルの距離を従来よりも柔軟に, また精密に測定することをめざす.

収録刊行物

  • 人間・環境学

    人間・環境学 21 33-48, 2012-12-20

    京都大学大学院人間・環境学研究科

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