ニホンベニクラゲ(ヒドロ虫綱、花クラゲ目)『若返り』現象の誘導

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タイトル別名
  • Induction of "rejuvenation" phenomenon of Turritopsis sp. (Hydrozoa, Anthomedusae)
  • ニホンベニクラゲ(ヒドロチュウ ズナ,ハナ クラゲモク)『 ワカガエリ 』 ゲンショウ ノ ユウドウ

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抄録

生活環の逆戻り現象(『若返り』)が可能なニホンベニクラゲルTurritopsis sp. (ヒドロ虫綱, 花クラゲ目)における, 高い若返り率を報告する. 和歌山県田辺湾産ニホンベニクラゲ22個体の成熟個体を, ポリスチレン製細胞培養用マルチプレートを用いて止水飼育し, 2017年の8月から9月にかけて『若返り』に関する観察を記録した. 16個体については記録初期段階から一貫して水温25℃による飼育を行い, 6個体は水温4℃で一晩コールドショックを与えた後,水温25℃に戻して観察を続けた. この時, 水温25℃飼育の16個体の内, 4個体は同時にマルチプレートの1穴内で飼育したが, 他の12個体については, マルチプレートの1穴ごとに1個体ずつ隔離飼育した. その結果, 水温25℃飼育の16個体の内の12個体において, ポリプ幼体への『若返り』が確認された(75%). 一方, コールドショックを与えた6個体のポリプ幼体への若返り率は0%であった. また, マルチプレートで隔離飼育した12個体では, 11個体がポリプ幼体への『若返りを示した(92%).

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