「苦悩」を引き受けるということ --神谷美恵子の思想に着目して--

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  • To Take "Suffering" with the Thoughts of Mieko Kamiya
  • 「 クノウ 」 オ ヒキウケル ト イウ コト : カミヤ ミエコ ノ シソウ ニ チャクモク シテ

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抄録

本論では、人間が「苦悩」を引き受けるとは如何なるものかについて展開する。まず「苦痛(痛み)」の経験が契機となり、自己がその人間存在の根柢において、新しい世界を見出す可能性について述べる。さらにその経験から生じる「苦痛(痛み)」と「苦悩」との関係性を、「悲しみ」という認識を経由することでどのような多層性を帯びるのかについて、神谷美恵子の思想を基軸に展開する。さらに、V. E. フランクルの、生きることの「意味」と「価値」の違いにも言及する。「ハンセン病である」という個別的条件においてではなく、人間として「生きている」という人間存在の共通条件において、「苦悩」の経験をすることの共有可能性を探究することを改めて問い直す契機の必要性が明らかとなった。

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