膵癌と鑑別困難であった腫瘤形成性慢性膵炎の1切除例

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  • Resected a Case of Tumor-forming Chronic Pancreatitis Mimicking of Pancreatic cancer

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抄録

症例は73歳, 男性. 心窩部不快感腹部膨満感を主訴に当院内科受診. 血液生化学的検査において総ビリルビン軽度上昇および血清アミラーゼ肝胆道系酵素の異常高値を認め, 腹部超音波検査では膵頭部腫大主膵管拡張および胆嚢腫大を指摘されたため, 精査加療目的にて内科入院. 造影CTにおいて非病巣部に比してやや染まりが良い点を除いて, 種々の術前検査にて, 膵頭部癌が強く疑われ, 膵頭十二指腸切除術を施行した. しかしながら, 術後の病理組織学的検索では, 腫瘤形成性膵炎と診断された. 近年の各種画像診断機器の開発により, その診断能は飛躍的に進歩してきている. しかしながら, いまだ膵癌と腫瘤形成性慢性膵炎の鑑別診断においては, 困難な症例に遭遇することがある. 最近われわれは, 術前に膵頭部癌が強く疑われ, 膵頭十二指腸切除術を施行した腫瘤形成性慢性膵炎の1症例を経験したので若干の考察を加え報告する.

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