「智慧院」・東西知的融合の実験場 : ヨーロッパの伝統的認識にたいするカイザーリングの懐疑と挑戦

書誌事項

タイトル別名
  • チエイン トウザイ チテキ ユウゴウ ノ ジッケンジョウ : ヨーロッパ ノ デントウテキ ニンシキ ニ タイスル カイザーリング ノ カイギ ト チョウセン
  • Chiein tozai chiteki yugo no jikkenjo : Yoroppa no dentoteki ninshiki ni taisuru Kaizaringu no kaigi to chosen
  • „Die Schule der Weisheit". Begegnungsstätte west-östlicher Geistesimpulse : Hermann von Keyserlings Vision grenzüberschreitender Kulturhorizonte

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抄録

type:text

ヘルマン・カイザーリングの主著『或る哲学者の旅日記(Das Reisetage・buch eines Philosophen)』(1918年)については,拙論『カイザーリングの日本紀行一西洋認識論の枠組みに映しだされた「大和的なるもの」一Hermann von Keyserlings。Reisetagebuch eines Philosophen“一Bal-tische Reminiszenzen auf einer。Pilgerreise“durch。Yamato“」1)のなかで,構成及び内容にかんして詳細な分析を試みた。本論は,この分析の成果を踏まえた上で,カイザーリングの思想の世界と密接に関連する実践面での活動に焦点をあてて,カイザーリング研究をさらに深化させることを企図している。 上記の論文でも指摘したが,カイザーリングはバルト貴族の末裔2)としてヨーローパ精神史に深い造詣を持ち,優れた語学力を介して当時のヨーロッパの知識層と多彩な人的交流を構築していた。カイザーリングの日本記述は,ヨーロッパ的知性と日本的風土の優れた出会いであり,その多面的且つ多層的な構成と内容の分析には,オリジナル資料に基づく本格的研究を必要とすることは,あらためて指摘するまでもない。 カイザーリングの活動面での足跡を辿り,思想の世界と実践の世界との有機的な連関に入って,こうした連関を構成する要素を抽出しながら再構築を試みるには,さらに一層精密な原資料調査が不可欠である。本論は,これまでの一次資料の調査・研究の成果の過程報告の性格を帯びているが,カイザーリングの実践世界の骨格を提示することを基本的に目指している。

identifier:203302

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