書誌事項
- タイトル別名
-
- カイガイ MBA ト コクナイ MBA ノ ヒカク : コジン ノ トウシ シュウエキリツ ト コスト ベネフィット ノ スイケイ カラ
- kaigai MBA to kokunai MBA no hikaku : kojin no toshi shuekiritsu to kosuto benefitto no suikei kara
- Comparison between the Personal Return of Japanese MBAs and ForeignMBAs
この論文をさがす
説明
type:text
本稿では,高度専門教育の中でもホワイトカラーのビジネス教育として主流を占める「MBA教育」について投資収益率とコスト・ベネフィットの推計を行い,国内MBAと海外MBAでの個人に対する経済効果と投資収益率の違いと,その原因について分析する。 労働市場の構造変化によってMBAを含む専門性の高い高等教育に対するニーズが高まる中,その対策として行われてきた「専門職大学院」の設置などは,成果についての検討が十分になされてこなかった。MBAの経済効果について分析した先行研究はいずれも,筆者の調査データにおける卒業生回答者全体の42.8%,2000年以降の卒業生回答者の68.8%を占める私費生や,その私費生を含めたMBA ホルダー全体ではなく,主に社費生の行動について分析したものであった。また,いずれの研究においても大学など他の高等教育機関と同じく教育水準や入学難易度に大きなばらつきが存在するMBAプログラムをすべて同質なものとして扱っており,実際のMBAの経済効果を十分に捉えきれているとは言い難い。 そこで,本稿では筆者が独自に収集したアンケートデータを用い,プログラムの内容がどの程度経済効果に影響するかについての分析として,海外と国内のMBAプログラムを比較した。その結果,海外MBAプログラムは,国内MBAプログラムに比べ大幅に高い経済効果,および収益率を個人にもたらすことが明らかとなった。国内MBAプログラムへの進学は,投資収益率ではプラスとなったものの,個人に対する経済効果では,指標によってはマイナスとなる場合もあることが分かった。この結果から,日本のホワイトカラーの高度専門人材の育成にあたっては,現状行われている形での国内MBA プログラムそのものに対する施策だけではなく,MBA進学者個人への補助などを通じて,海外MBAに進学する人材への支援を行えば,日本経済への人的資本蓄積をより効率的に行うことができると考える。 The focus of this study is to compare the personal return of MBA education in Japan and in foreign countries, which increases its importance in the Japanese labor market. Three characteristics are found as the results of this study: (1) foreign MBAs shows greater personal rate of return than Japanese MBAs, (2) Japanese MBA shows negative economic benefits in some indices, and (3) domestic and foreign MBA programs have different functions. In order to increase MBA educational investment for Japanese economy, improving personal support to MBA candidates can be one of the solutions.
論文
収録刊行物
-
- 三田商学研究
-
三田商学研究 52 (2), 99-113, 2009-06
慶應義塾大学出版会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1050845762331863936
-
- NII論文ID
- 120002233663
-
- NII書誌ID
- AN00234698
-
- ISSN
- 0544571X
-
- NDL書誌ID
- 10411277
-
- 本文言語コード
- ja
-
- 資料種別
- journal article
-
- データソース種別
-
- IRDB
- NDLサーチ
- CiNii Articles