ハイデガーにおける気づかいと自己性

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  • ハイデガー ニ オケル キヅカイ ト ジコセイ
  • Sorge und Selbstheit bei Heidegger

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ハイデガーは、自己とは気づかいであると考えている。気づかいとは、絶えず何かに関わっている現存在の存在のあり方のことである。したがって、自己といっても、孤立的な存在ではなく、自己を超えて常に何かを気づかっている存在のことを指す。むろん他者も、現存在が気づかっている「何か」に含まれている。現存在は生来、他者との共同存在である。本稿ではこうした観点から、これまで批判されがちだったハイデガーの他者論に対して、その積極的な意義を論じた。その際、「現存在は自らのために実存する」、「我一汝関係は世界内存在に基づく」をテーゼとして取り上げた。本稿ではこの二つを手がかりにして、自己性が他者との共同存在に対する前提であること、現存在は自己性に基づいているがゆえに他者の為に存在できること、我一汝関係は孤立的な自我から出発しており実存論的には「本末転倒」であること、等々を指摘した。

identifier:奈良県立医科大学医学部看護学科紀要 Vol.1 p.11-20

identifier:13493884

identifier:http://ginmu.naramed-u.ac.jp/dspace/handle/10564/171

identifier:奈良県立医科大学医学部看護学科紀要, 1: 11-20

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