個別支援を必要とする児童への学校教育的支援策の検討

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タイトル別名
  • コベツ シエン オ ヒツヨウ ト スル ジドウ エ ノ ガッコウ キョウイクテキ シエンサク ノ ケントウ
  • The Case Study of School-based Functional Analysis Methods for the Child Who Doesn't Fit in Class at a Primary School

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抄録

本研究では、学級の中で変わった子として疎外される可能性があり、個別支援を必要とするB児への対応を事例的に検討することを目的とした。具体的には、B児の(問題)行動がどのような機能や目的を果たしているのかを、デムチャックら(1996)が開発した「問題行動に対する機能的アセスメント」のステップを参考に評価した上で、B児の行動の変化を行動的産物記録法によって記録・分析し、対応策を検討した。機能的アセスメントの導入によって、B児特有の発言や応答の機能が特定され、周囲の子どもたちから変わった子としてのスティグマ(烙印)が与えられないように、「こだわり応答」を問題行動の第1順位として、その行動特性に対する機能分析が試みられた。その結果、B児への個別支援策として、①筋の通った応答をしたら褒める、②的外れの応答をしたら受容しながら意図的に無視する、③突拍子もない発言は少し我慢させ、我慢できたら褒める、の3点が見出された。また、「こだわり応答」の直後に起こるクラスみんなからの嘲笑への対応として、担任は「こだわり応答」を受けとめながら意図的に無視する消去手続きを導入したところ、まわりの子どもたちからB児を嘲笑するなどの行動がほとんどみられなくなった。また、代替行動としてB児の「反芻応答」や「確認応答」を積極的に活用し、否定的と思われるB児の行動に積極的な意義を与えたところ、B児の自己有用感が増していることが見出された。

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