宗教教育におけるナラティブ・メソッドの実践と効果

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タイトル別名
  • Effectiveness of Narrative Approaches to Educational Practice
  • シュウキョウ キョウイク ニ オケル ナラティブ ・ メソッド ノ ジッセン ト コウカ

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説明

二〇世紀後半以降の現代キリスト教神学の流れの中で確立されたナラティブ・メソッドは、ここ20 年ほどの間に強調され、用いられることが多くなった宗教教育における比較的新しい展開である。若者の信仰形成、およびキリスト教ユースミニストリーの専門家であるフランク・ロジャースは、このペダゴジーがキリスト教界において効果的に用いられていない現状を憂慮する。具体的には、ナラティブに接した後の再考や回想(reflection)の機会が不足、またナラティブの語り直し(retelling)とナラティブ創作の機会の不足等が挙げられている。本研究は、ロジャースによって指摘されたこれらの「不足」を修正したナラティブ・メソッドをデザインし、それを東京基督教大学の「キリスト教世界観」クラスにおいて実践する中から浮かび上がってきたデータを、グラウンデッドセオリーを用いて分析し、ナラティブ・メソッドの効果や有用性について検証したものである。分析の結果からこのペダゴジーは、学生による学びの教育コンテント理解を深め、価値観の多様性に対するポジティブな認識を獲得させ、また学生の共感性を醸成し、宗教性を成長させるといった効果を持つことがわかった。

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