高精細枝肉横断面画像を利用した筋肉内脂肪中モノ不飽和脂肪酸割合の推定に関する研究

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  • Prediction Method of Monounsaturated Fatty Acid in Marbling by Image Analysis Using High Resolution Digital Image of Beef Meat

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抄録

牛肉のおいしさの指標のひとつとしてモノ不飽和脂肪酸(MUFA)割合があげられる。本研究では,褐毛和種(JBR)およびホルスタイン種(HOL)における画像解析を用いたMUFA割合推定法を開発し,その推定精度を検証した。高精細枝肉撮影装置により,JBR25頭(去勢19頭,めす6頭,1ロット)およびHOL76頭(去勢,5ロット)の枝肉横断面を撮影した。MUFA割合実測値は,ロース芯をスライドガラスで削り取り,定法で求めた。枝肉横断面画像を解析し,脂肪面積比,脂肪粒子のあらさに関する形質(10形質),ロース芯形状に関する形質(2形質),ロース芯の色に関する形質(84形質),脂肪交雑の形状に関する形質(9形質),横断面面積に占める皮下脂肪および筋間脂肪の面積割合を算出した。MUFA割合の推定は,以上の108形質を用い,5変数を上限とした最大R2値改良法による重回帰分析で行った。MUFA割合実測値の範囲はJBRにおいて50.65~62.10%(平均:55.32%),HOLにおいて44.06~58.24%(51.74%)であった。JBR(1ロット)では脂肪赤成分下位10%,脂肪粒子全体のあらさ,ロース緑成分のばらつきおよびロース芯脂肪割合の4形質が選択された(R2=0.69)。HOLにおいて,全ロットを一つのデータセットとした重回帰式のR2値は0.38であった。各ロットで枝肉表面の温度,と殺後の経過時間などが異なると推察されたため,ロットごとに重回帰分析を行った。各ロットで選択された変数はおおむね共通しており,皮下脂肪割合,筋間脂肪割合,脂肪粒子全体のあらさ,脂肪粒子の凹凸度,筋肉緑成分のばらつきおよび脂肪緑成分のばらつきの6形質であった(R2=0.39~0.91)。精度を高めるために,推定に使用する画像解析形質を再検討する必要はあるが,JBRおよびHOLにおいてもMUFA割合を推定可能であった。

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