腹膜炎を伴う巨大な片側性水賢症を発症したホルスタイン種乳牛の1症例
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抄録
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後産停滞で治療中の4歳5カ月齢のホルスタイン種乳牛雌で、直腸検査により大型腫瘤を触知した。超音波検査では大型腫瘤の内部に液体および線維素様構造物を確認し、穿刺により細胞と細菌を含む淡黄色混濁液が回収された。病理解剖により腫瘤は、高度に腫大(63×37×30cm、約40kg)した左腎であり、腎盂相当部位の著しい拡張と腎実質の菲薄化がみられたことより水腎症と診断した。左腎周囲は結合組織で覆われ、腹壁および腸管との癒着がみられた。さらに腹腔内には淡黄色の腹水が貯留し、第一胃、腹壁、横隔膜、大網は広範囲に癒着しており、腹膜炎と診断された。病理組織学的検索では、左腎の正常構造の消失と重度の線維化および細菌の集簇がみられた。細菌検査では、左腎臓よりEscherichia coli およびStreptococcus sp.が分離された。水腎症の一次的原因は明らかにできなかったが、何らかの原因で片側性水腎症が形成され、細菌感染が二次的に生じ、さらに拡張した腎臓の一部が破裂して内容物が腹腔に漏れ、腹膜炎が生じたと考えられた。
収録刊行物
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- 北海道獣医師会雑誌
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北海道獣医師会雑誌 61 (1), 2-5, 2017
北海道獣医師会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050845762514174592
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- NII論文ID
- 120006390973
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- NII書誌ID
- AN00229880
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- ISSN
- 00183385
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- journal article
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- データソース種別
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- IRDB
- CiNii Articles