Elizabeth Bowenの描く家と女性-"The New House"とThe Last Septemberを読む

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タイトル別名
  • The Relationship between Woman and House in Elizabeth Bowen's "The New House" and The Last September
  • Elizabeth Bowen ノ エガク イエ ト ジョセイ The New House ト The Last September オ ヨム

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抄録

40017236975

アセンダンシーの末裔という出自を持つElizabeth Bowenのビッグ・ハウス小説The Last Septemberと,彼女の初期の短篇"The New House” は,一見全く異なるテーマを扱う作品である.しかし, 両作品において,Bowenは19世紀女性作家の「家」をめぐる伝統 一 家を女性の幽閉の象徴とし,そこからの脱出の試みを描くというもの - を意識し,それを巧みに「崩す」ことで,消滅の運命を辿るアセンダンシーの 現状を表現している.どちらにおいても「家」の揺らぎと喪失が暗示され,さらには「家」は幽閉の象徴から, それを逃れて「現在」を生き始めようとする女性自身の表象となる. Bowenはこれらの作品の中で,アセンダ ンシーの終焉という歴史的な瞬間を冷静に描きながら,同時に,そこに新たな人間関係を希求する女性の姿を描き込む.失われるビッグ・ハウスの世界を記録するBowenの目は,アセンダンシーの辿る運命のさらにその先 へと向けられているのである.

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