糖尿病にうつ病を合併し,過食を呈した一例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case Report of a Patient with Diabetes Mellitus Who Complicated Depression and Showed Overeating
  • トウニョウビョウ ニ ウツビョウ オ ガッペイ シ,カショク オ テイシタ イチレイ

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抄録

我々は, 糖尿病にうつ病を合併し, 過食から血糖コントロールが不良であった症例を経験した. この報告の目的は糖尿病にうつ病を合併し過食を呈する患者の入院治療の必要性と過食を呈する機序を検討することである. 症例はⅡ型糖尿病に中等度のうつ病を合併した48歳男性. 患者は職場ストレスを誘因にうつ病を発症し, 我々のクリニックに紹介された. 通院治療ではうつ病は改善せず, 過食も持続し, 血糖コントロールが不良であった. 環境調整もかねて, 入院治療を行ったところ, うつ状態や過食衝動および血糖値は徐々に改善した. 糖尿病にうつ病を合併した症例で過食を呈する場合, 重症のうつ病でなくても環境調整目的で入院治療を検討すべきと考えられた. 過食の続くメカニズムには, 過食-食後高血糖-反応性高インスリン血症-反応性低血糖-食欲亢進-過食という悪循環の形成が推察された.

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