木材-水系の湿潤熱 (III)(林学部門)

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タイトル別名
  • 木材-水系の湿潤熱-3-
  • モクザイ スイケイ ノ シツジュン ネツ 3
  • The heat of wetting of wood in water (III) (Forestry)

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抄録

冷水抽出, アルコール・ベンゼン抽出, リグニンおよびヘミセルロースの段階的抽出を行なった試料の水に対する全湿潤熱を, 微少熱量計によって測定し, 木材の全湿潤熱に及ぼす各種構成成分の影響について検討した。その結果, 1) 2・3の樹種を除いて, 全湿潤熱は, アルコール・ベンゼン抽出処理によって大きくなった。2)全湿潤熱は, 脱リグニン処理が進むとともに大きくなるが, その増加割合は, 処理段階の初期でもっとも大きい。また, 平衡含水率も関係湿度の全範囲にわたって, 処理が進むとともに増加した。処理によって除去されたリグニンが, 残留する物質と独立した全湿潤熱を発生すると仮定して, (1)式からリグニンの全湿潤熱を求めたが, その値は各段階で異なり, 簡単な加成則は成り立たなかった。3)ホロセルロースの全湿潤熱は, 脱ヘミセルロース処理によって減少し, ほぼセルロースのみとなるとみられる試料は, ホロセルロースの約20%小さい値を示した。抽出の各段階を通じて加成則が成り立つとすれば, 除去されたヘミセルロースの全湿潤熱は, 単離ヘミセルロースの全湿潤熱に近い値を示した。

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