立木注入法による木材の染色(第 5 報) : 染色材の退色防止について(林学部門)

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タイトル別名
  • 立木注入法による木材の染色(第5報)染色材の退色防止について
  • タチキ チュウニュウホウ ニヨル モクザイ ノ センショク ダイ 5 ホウ セ
  • Dyeing of Xylem Utilizing the Sap Flow of Living Trees (V) : Improvement of the discoloration for the dyeing wood (Forestry)

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抄録

前報までに, スギ間伐材や未利用広葉樹材を有効に利用する一つの方法として, 立木の樹液流や葉の蒸散作用を活用した木部の染色を試み, 極めて特徴を有する染色材が得られることを示した。この一連の研究に関係して本報告は, 染色材の退色とその防止について調べた。得られた結果は以下の通りである。1)染色材のΔEは, 染色していない材のそれの最大3.1倍を示し著しく大きいことを認めた。2)染色材に市販のポリウレタン塗料(Pu), フッ素樹脂塗料(Fc)を塗布しても退色の程度を小さくすることは出来なかった。しかし, 紫外線吸収剤の添加されたフッ素樹脂塗料は退色程度が1/2程度に減少した。3)Pu及びFc塗料に紫外線吸収剤5種をそれぞれ添加して検討した結果, 塗料によって最適の紫外線吸収剤が異なることを認めた。最適の紫外線吸収剤による退色の減少程度は, 1/5∿1/10になることを認めた。4)紫外線吸収剤の塗料溶液中への添加濃度は, いずれの場合も最大1%で十分である。

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