「好文木」考 ―天神信仰とのかかわりを中心に

書誌事項

タイトル別名
  • Research of "Koubunboku" : With the Association of Tenjin Belief as the Center
  • 「 コウブン ボク 」 コウ : テンジン シンコウ ト ノ カカワリ オ チュウシン ニ

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説明

日本中世の説話、軍記物語、謡曲などに、「学問を好む\n木」─「好文木」という梅の別称が見える。鎌倉時代の\n説話集『十訓抄』に初出し、『晋起居注』に見える中国の皇帝が学問を好むと梅の花が咲き、学問を怠れば梅の花が散るという話に由来すると言われている。しかし、出典とされる『晋起居注』について考察すると、内容、主人公の人物像、梅のイメージなどの面から、いくつかの問題点が浮かび上がった。それにひきかえ、「好文木」の話は日本ではよく天神の飛梅伝説と結びつき、とくに天神信仰が流行する中世から盛んに説かれていたことに気づいた。小論は、天神信仰と梅の関係をめぐって、「好文木」説話成立のルートを考察したものである。

収録刊行物

  • 日本語日本文学

    日本語日本文学 (22), 31-46, 2012-03-20

    創価大学日本語日本文学会

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