「おはしょり」形成の過程
書誌事項
- タイトル別名
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- The Process of "Ohasyori" Formation
- オハショリ ケイセイ ノ カテイ
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説明
近世初期、男女共に対丈であった小袖は、男物が対丈のままであったのに対し、女物の丈は長くなった。そのために女物では着丈より長い分を腰のあたりで引き揚げ、腰紐で締めて丁度良い丈に調整する「おはしょり」が形成された。その過程に関して日本服装史では言及されていない。そのため、本稿で画像・文献資料より辿ることを目的とした。また、和服裁縫書から用語の初出にも着目した。その結果、江戸時代、室内で裾が引摺られた小袖は、外出の際、たくし上げたり、褄を取って着装された。しかし、片手が塞がる不便さから、「抱帯」「しごき帯」と称された細紐で前身頃をはしょった。明治時代、着付けの段階で「腰帯」と「下締」が締められ、「おはしょり」と称される着装法が完成した。その姿は「腹の辺にカンガルーといふ獣の如く、無益の袋を作るは真に抱腹なり」と揶揄され、大きな袋状の「おはしょり姿」は不評であったが、昭和時代に入り、体形に合わせた着付けが進み、「おはしょり」はその利便性に加えて着装美が求められた中で定着化した。また、和服裁縫書では1957 年に「お端折」の用語が明らかとなったが、1900 年刊「流行」の「ハシヨル」の言葉が初出と捉える。
収録刊行物
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- 文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要
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文化学園大学・文化学園大学短期大学部紀要 49 9-16, 2018-01-31
文化学園大学
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050845762732964224
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- NII論文ID
- 120006460747
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- NII書誌ID
- AA12775999
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- ISSN
- 24325848
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- HANDLE
- 10457/2757
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- NDL書誌ID
- 029251940
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- 本文言語コード
- ja
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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