自治会・町内会への組織論適用に関する予備的考察

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タイトル別名
  • ジチカイ チョウナイカイ エノ ソシキロン テキヨウ ニ カンスル ヨビテキ コウサツ
  • A preliminary study on the application of the organization theory to the Jichikai-Chonaikai

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抄録

西暦2000年の地方分権一括法施行を機に,わが国は「地域の時代」に入った。2009年には,「地域主権」をマニフェストに掲げた民主党が,歴史的政権交代を実現した。「地域の時代」や「地域主権」の主旨は,地方自治体の団体自治拡充とともに,地域社会における豊かな住民自治への期待である。

一方地域社会では,自治会・町内会などの住民組織が草の根の自治をこれまで支えてきた。全国に約30万団体存在する自治会・町内会は,わが国最大の民間非営利組織(NPO)であり,その平均加入率は80%以上と推定される。自治会・町内会が,日常及び非日常における住民自治を担っている。この組織群を効果的に経営するために,経営学諸理論の適用が期待されるものの,そうした試みはこれまでなされてこなかった。

そこで,本研究では,自治会・町内会に関してこれまで経営学以外の学術分野から得られた研究成果や,各種の政府・自治体等調査に加え,筆者の実施したアンケート調査結果などを元に,自治会・町内会の実像の一端を描き出し,そこに組織論の適用を試みることで,自治会・町内会がもつ組織構造や組織的特性などを明らかにする。そして,その持続的・効果的経営に寄与する知見の導出を試みるものであるが,本稿は,その予備的な考察である。

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