共働き家族の子育てとネットワーク : 全国18保育園に子どもを預ける父母を対象とする調査分析

書誌事項

タイトル別名
  • トモバタラキ カゾク ノ コソダテ ト ネットワーク : ゼンコク 18ホイクエン ニ コドモ オ アズケル フボ オ タイショウ ト スル チョウサ ブンセキ
  • On Dual-Earner Families' Parenting Netwoking

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説明

小論では、全国18保育園に子どもを預ける父母を対象に実施した調査結果の分析を行った。配布した調査票は1000、回収率81.0%、計810の調査票が回収された。調査の主題は、共働き家族における家事と子育ての分担の実態把握と、共働き家族を取り巻く社会関係のネットワークの検証にある。調査にあたって三点にわたる仮説が用意された。その第一は、共働き家族が取り結ぶネットワークにおいて母方の祖母の重要性が大であろうこと、しかし相対的にその比重を弱めつつあるのではないかという点にあった。第二に、第一の動向の背景をなすところであるが、共働き家族の父母が保育園の園長・保母そして保育園に子どもを預ける父母同士と取り結ぶネットワークの存在が相対的にその比重を強めつつあるのではないかという点に注目した。言い換えれば、血縁ネットワークから、社会縁サポートネットワークへの移行傾向の検出である。第三に、母親の就業パタ-ンの相違(自営グループ、フルタイムグループそしてパートタイムグループ)により家事や子育ての分担さらには日々とり結ぶネットワークに相違が生じるのではないかという仮説の検証が試みられた。それは、単なる就業形態や就業時間の相違に基づくものではなく、母親の就業をめぐる父母の価値観の相違とも一定の相関をみせるのではないかという仮説の検証と連続するものであった。綿密な分析をとおして、三点にわたる仮説はいずれも検証に耐え得る事実が把握された。

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