『大學』『中庸』における虚詞問題研究 : 語気詞について

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タイトル別名
  • ダイガク チュウヨウ ニ オケル キョシ モンダイ ケンキュウ ゴキシ ニ ツ
  • Particles in "Daxue" and "Zhongyong"
  • ダイガク チュウヨウ ニオケル キョシ モンダイ ケンキュウ ゴキシ ニツイテ

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抄録

中国語を構成するものは,実詞と虚詞で,実詞は「体」,虚詞は「用」であり,実詞を働かせているものは虚詞ということは周知されている。中国語文法は語順と虚詞の用法に尽きるとよく言われる。語順はいくつかの型に帰納できるが,虚詞は個別的なものであり,一つ一つについて綿密な検討を加え,その用法を明らかにしておかなければならない。中国人は古くから『五経』に生活の規範を求め,教養人必読の書として尊ぶとともに,これの解釈の学に多大の努力を重ねてきた。ただ,これらの書物は多くの事実を語るだけで,人間はいかに生くべきかという道理の記録に乏しい。この不便を救うべく,宋代の学者たちは,漢のころから『五経』に付随して尊ばれてきた『論語』と,それを最も忠実に祖述した『孟子』のほか『礼記』のうちから選び出した『大学』『中庸』の二つを合わせて『四書』と呼び,『五経』を読む前提書としてその価値を強調した。これらの書物の研究をふまえて,漢語の理解を追究すれば,当時の言語状態の把握も一層明らかになるだろう。古代漢語の語気は様々な虚詞によって表示する。語法の結構上が西洋言語と大いに違う。語気詞は言語の情態を表示する語詞である。というわけで,上古時代の語法の語気詞に当時の口語の実際情況が表われ,構成していることになっている。『大学』『中庸』の語気詞はその位置と作用により三種類に分けられる。句首語気詞・句中語気詞・句末語気詞がある。但し,独立語気詞がない。元朝,清朝の学者達の古代漢語に対する考証を比較しながら『大學』『中庸』のなかに使った語気詞を調べてみた研究である。

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