グローバル金融市場と「国際的」最後の貸手(International Lender of Last Resort,ILOLR)機能

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  • An International Lender of Last Resort in the Global Money Market

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抄録

21世紀を前後して頻発する通貨危機や持続不可能な人間生存環境の行き詰まりを前にして、IMFの改組や新国際機関の設立が論議され、国際的セーフティネットと国際的最後の貸手(ILOLR)の可否が問われている。とりわけリーマンショックの発生とユーロ危機の展開のなかで、国際的に中央銀行と政府の危機対応策が取られてきたが、様々な危機予防・対応の適否を論議し、国際的セーフティネットとILOLRの存否を問題にする場合、中央銀行のLOLR機能を的確に定義することを要する。中央銀行は、公信用を背後に決済・支払い完了性を与える現金・準備を創出できるので、LOLRとして一国の金融危機に対処する。グローバル金融危機に対するILOLRを問題にするとき、中央銀行間ドル・スワップ協定がアメリカFRBをIのLOLRとしたといわれる。FRBは世界中央銀行とはいえないが、中央銀行間・各国公信用協力でドルのグローバル流動性を供給する主体といえる。しかしアメリカ一国のFRBはILOLRとして十全ではない。

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