義利合一説の思想的基盤 : 三島中洲の義利合一説の考察

書誌事項

タイトル別名
  • Ideological Foundation of Theory of Union of Morals and the Economy : Research of Chushu Mishima’s Theory of Union of Morals and the Economy
  • ギリ ゴウイツセツ ノ シソウテキ キバン : ミシマ ナカス ノ ギリ ゴウイツセツ ノ コウサツ

この論文をさがす

抄録

本稿では、三島中洲が提唱した「義利合一説」の特質を大きく、「天の概念」、「利に対する考え方」、「渋沢への思想的影響」の3点と捉えた。中洲の義利合一説を考察する上で重要なポイントとなるのが、同時代に同じ思想を唱えた渋沢栄一の存在であり、これらの特質は渋沢との比較によって判明した。 中洲は、「人の経済」を「天の経済」が投影されたものと捉え、天の存在を義利合一説の論拠とした。そして、天の被造物である不完全な人間が経済を営むがゆえに離反する、義と利は一体化すべきと説いた。 中洲は、利と仁義を結びつけて理解した。法律家として司法に従事した中洲にとっては、法体系に則って厳正な司法判断を下すことが義利合一の実践であった。中洲と同じく渋沢も、義利合一の思想的淵源を、陽明学が主張する「理気合一」と「知行合一」に求めていた。中洲から渋沢への思想的影響は存在した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ