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抄録
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文学作品における発話行為(speech act)の提示法は様々であるが,文体的にみて 話法はDirect Speech, Indirect Speech, Free Direct Speech, Free lndirect Speech, Narrative Report of Speech Actの5種である(Leech&Short 1981)。 R.キプリ ングの傑作の一つとされる作品“‘They’”には直接的話法が連なる中,一文だけ間 接的話法が紛れ込んでいる箇所がある。この明らかに作意的な文体操作は何故か。 直接的話法の中の一文だけが間接的話法であるということは,この間接的話法の 文が‘foreground’されていることを意味する。また,間接的話法は台詞を明示しな いため,読者にはここで話された言葉が実際何であるかわからない。このように不 透明化された発話は,実は作品全体のミステリーを解決する糸口となっている。作 者の目的はKeyとなる情報を焦点化しながらもsuspenseにすることにあったと考 えられる。
収録刊行物
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- 学習院大学人文科学論集
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学習院大学人文科学論集 (9), 81-90, 2000-09-30
学習院大学大学院人文科学研究科
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1050845762941917440
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- NII論文ID
- 110000545964
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- NII書誌ID
- AN10398283
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- HANDLE
- 10959/1933
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- NDL書誌ID
- 5577643
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- ISSN
- 09190791
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- 本文言語コード
- en
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- 資料種別
- departmental bulletin paper
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- データソース種別
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- IRDB
- NDL
- CiNii Articles