幽門輪温存腹腔鏡下幽門側胃切除を行った極めてまれな胃間葉系腫瘍の1例

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  • A Very Rare Case of Gastric Mesenchymal Tumor Treated by Pyloric Ring-preserving Laparoscopic Distal Gastrectomy

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抄録

67歳,女性.平成22年3月,黒色便を自覚し当院を受診.上部消化管内視鏡検査で胃角部小弯前壁寄りに頂部に出血を伴い潰瘍を有する腫瘍径3cm 大の胃粘膜下腫瘍を認め,GISTが疑われた.手術適応と判断し幽門輪温存腹腔鏡下胃切除を施行した.永久標本で肉眼的に蔓やぶどうの房状と表現される形態をとっており,通常のGIST ではみられない形態であった.また,免疫染色では腫瘍細胞はc-kit-,CD34-,desmin p+, S-100protein-であった.以上よりGIST は否定的であり平滑筋肉腫も考えられたが,免疫染色性が近く,同様の形態をとる腫瘍にPlexiform Fibromyxoma(蔓状繊維粘液腫)があげられた.これは良性腫瘍であり予後も良好であるが本例は異なる点があり,必ずしも予後良好でないと考えられた.局所は根治切除できているが,術後化学療法に効果的なものはなく,慎重に経過観察中である.

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