幼児の食生活に関する研究(第8報) : 山村幼児の最近5年間の間食栄養の変動

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タイトル別名
  • Dietary Studies of Preschool Children in Japan (Part8) : Some Observations on Nutritional Intake of Preschool Children in a Mountain Village by Snacks during the Last Five Years

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抄録

幼児の栄養摂取に関する系統的研究の一端として,時代の変転による山村幼児の間食栄養の変化を把握すべく,1966年度と1971年度について,3~6歳児約20名を対象として,四季の連続した3日間(通年12日間)の間食の摂取状況を調査した。得られた結果より両年度間の変動指数を求め,数値群パターン解析法を適用して,以下の成績を得た。(1)山村幼児の間食の摂取食品数は,1人1日当り平均3品から4品に増えた。(2)間食として選択される食品の種煩が変わり,素朴な食品が減じて,より加工的即席的な食品へと移行してきている。(3)したがってその食糧構成パターンの変動度は14.4%と比較的高値であり,1日の食餌を含めた食糧構成パターンのそれの約2倍であった。しかしながら,間食の食品重量比(1日量の40%)ならびに,カロリー給源食品とビタミン・ミネラル給源食品の摂取比率は5年前と殆んど変らなかった。(4)間食による摂取栄養量には余り変動はなく,そのパターンとしての変動度は1.1%と低値であった。(5)1日の総摂取栄養量における間食栄養の占める比率(%)は熱量(32)とたん白質(20)は両年度間で変らず,脂肪39→28,糖質34→36,カルシウム37→26,鉄22→23,V.A22→16,V.B_127→21,V.B_230→19,V.C46→47であり,そのパターンとしての変動度は1.7%と低く,5年間の変動は極めて小さいことから,山村幼児の摂取する間食の量はほぼ定着しているもののようである。(6)間食費は44.3円→80.9円と推移し,5年間で1.83倍となり,これは本邦の国民所得統計年報による国民1人当りの食費の同期間の変動指数とほぼ等しく,また,1日の食費に占める間食費の比率は35.5%→39.1%であった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1050845762968119936
  • NII論文ID
    120006585099
  • NII書誌ID
    AN00079890
  • ISSN
    02883686
  • Web Site
    https://unii.repo.nii.ac.jp/records/729
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • IRDB
    • CiNii Articles

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