キューバにおけるヨルバ系宗教のアフリカ回帰主義的動向とその多様性

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タイトル別名
  • Movement and it’s Diversity of African Traditionalists of Yoruban Religious Practitioners in Cuba

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説明

本稿は、キューバにおけるヨルバ系宗教、レグラ・デ・オチャ-イファ信仰の組織化の動向について、特にそこでの多様性について論じるものである。 レグラ・デ・オチャ-イファ信仰は、アフリカ・ナイジェリアおよびその周辺地域に発展したヨルバ語系文化を起源とする宗教が、大西洋奴隷貿易を契機にキューバにもたらされ、その後カトリックや心霊主義と融合しながら発展した民衆的宗教習俗である。 しかしグローバル化の影響のもと、キューバ国内の政治的状況の変化によって、近年では同信仰の組織化が顕著となり、これまでの宗教実践の性質が変容しつつある。 本稿では、歴史的に隠蔽されてきたアフロ・キューバ系宗教の実践が、政府の政治的、経済的、文化的方向性の変化によって促された組織化の流れの中で、従来の実践コミュニティ的特徴を弱化させつつあると共に、キューバ的伝統を重視するグループとアフリカ回帰主義的グループが台頭し、特に後者において様々な立場の主張が顕在化しており、それが民衆宗教の特徴を理解する上で重要な題材を提示しているという点について論を展開する。

収録刊行物

  • SOCIOLOGICA

    SOCIOLOGICA 43 (1・2), 1-28, 2019-03-20

    創価大学社会学会

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