『少女ブック』における読者意識の形成に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • ショウジョ ブック ニオケル ドクシャ イシキ ノ ケイセイ ニカンスル ケンキュウ
  • The study of formation of loved readers (fan) consciousness concering for "SHOJO BOOK"(pubilished by "SHUEISHA")for children(from elementary school students to women's high school students)

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抄録

『少女ブック』は、集英社から1951(昭和26)年8 月に発刊された。同誌は創刊号より表紙に少女モデルを採用した。また同誌には早い時期から投書欄「仲良しルーム」が存在していた。「仲良しルーム」は少女読者の人気を誇った欄であった。また投書欄には「ブッ子」という愛称で親しまれるキャラクターが登場し、誌面を賑わせた。少女読者らはこぞって「仲良しルーム」に投書を寄せ、仲間を見つけた。文通する者もいれば、「少ブ」と略語を使用し、愛読者仲間に参入する者等も存在した。その後読者間の交流は、誌面外になることが多かった。読者が互いに「少ブ」という略語を合言葉に、目には見えない読者の共同体を形成した。また読者の関心が今まで以上に、多方面に展開した。仲間を求めること以上にスタア、アイドルに熱狂するような傾向が見られた。同誌編集者は誌面では手の届かないスタア・アイドルと文通を通じて交際し、より近い距離での関係を構築することに一役買った。そのため本来の小説、物語を中心であった誌面構成が、テレビの普及等を理由に大きく様変わりすることになった。時代の流行に追随することが目的となった同誌は、「あなたのすてきなスター雑誌」としての方向性をとることになり、少女雑誌からスタア・アイドル誌への誌面方針の転換を余儀なくされた。

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