日本民俗学と古典文学 『枕草子』の中の仏教

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  • ニホン ミンゾクガク ト コテン ブンガク : 『 マクラノソウシ 』 ノ ナカ ノ ブッキョウ

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P(論文)

日本人の精神文化の解明を目標のひとつとして掲げている日本民俗学の立場から、古典文学を研究資料として取り上げて論じた。具体的には、平安時代に生きたひとりの女性清少納言によって書かれた『枕草子』の中から仏教関係の記事を拾い出して分析した。末法思想が広まり、浄土教が特に貴族層の間に浸透したとされる時代において、『枕草子』の中に極楽浄土への往生志向は見られない。清少納言の価値観は現世利益志向である。仏教に求める清少納言のこの態度は現代日本人と変わりなく、歴史を通底する日本人の価値観だと考えられる。

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