下大静脈腫瘍塞栓を伴いGrowing teratoma syndrome を 呈した精巣悪性腫瘍の1 例

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抄録

症例:36 歳,男性.腹部腫瘤を主訴に近医を受診し当院内科紹介.CT で傍大動脈リンパ節腫大,下大静脈腫瘍塞栓,両側総腸骨静脈にわたる血栓,肺塞栓を認め当科紹介となった.左精巣腫瘍を認め,精巣悪性腫瘍の後腹膜リンパ節転移の診断のもと,下大静脈フィルター留置後に高位精巣摘除術施行.病理結果はteratomaを含んだmixed germ cell tumorであった.BEP療法施行後,腫瘍マーカーは陰性化も後腹膜リンパ節は増大し,Growing teratoma syndrome が疑われた.下大静脈は腫瘍塞栓の縮小と共に萎縮を認めた.後腹膜リンパ節郭清ならびに下大静脈切断術を施行.切除した腫大リンパ節の病理所見はmature teratoma で,その他には腫瘍を認めなかった.術後2 年無再発で経過している.下大静脈腫瘍塞栓,Growing teratoma syndrome を呈する精巣悪性腫瘍は稀であり文献的考察を含めて報告する.

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