記憶に焦点を当てた英語授業 : 処理水準モデル、かかわり度仮説及び脳科学の知見にもとづいて

書誌事項

タイトル別名
  • English Lessons Focusing on Memory : Levels of Processing, Involvement Load Hypothesis, and Brain Science Research
  • キオク ニ ショウテン オ アテタ エイゴ ジュギョウ : ショリ スイジュン モデル 、 カカワリ ド カセツ オヨビ ノウ カガク ノ チケン ニ モトズイテ

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説明

現実場面で応用可能な知識を身につけるためには、学習内容を記憶することが不可欠であり、脳科学研究における記憶システムの知見を言語教育に生かすことは、非常に重要だと予想される。そこで、授業の中でより効率よく学生に学習内容を記憶させる方策を探ることを最終目的とし、本稿ではその第一歩として、第二言語習得に関連する記憶研究、処理水準モデル、かかわり度仮説、及び脳科学研究でこれまでに解明された知見を検討した。その結果、長期記憶は、エピソード記憶・意味記憶・プライミング記憶及び手続記憶の4つに分類され、その中のエピソード記憶は、長期間にわたって記憶にとどまり、自分の意志で想起可能であることがわかった。また、記憶と密接な関係にある、海馬、側頭葉、及び扁桃体と呼ばれる脳の部位の複雑な記憶メカニズムを明確にすることで、学習内容を記憶させるための授業内タスクのヒントを得ることができた。それらは、記憶を強固にするために情動を生じさせるように導入すること、例文は学生が関連付けしやすいものにすること、認知的に処理が深いと考えられるタスクを取り入れること、目標単語とタスクのかかわり度を考慮に入れる工夫をすることであった。

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