和音進行時における協和音、不協和音の聴取に関連する脳血流動態の変化 音楽療法の神経生理学的基盤と関連して

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西洋音楽理論に基づいた協和音・不協和音を含む2つのコード進行を被験者に聴取させ、光トポグラフィー装置を用いて側頭葉の脳血流動態に及ぼす聴覚刺激の効果を検討した。被験者は健康な右利き成人20名とし、我が国の義務教育としての音楽教育歴のみを有する者10名(以下EE群)と、義務教育以上の高等音楽教育を受けた者10名(以下HE群)の2グループに分けた。実験では、和声学に基づく4声体からなる連続協和音(全14和音)を計32秒間聴取させる刺激をタスクA"とし、連続7協和音に引き続き連続7不協和音からなる刺激を"タスクB"とした。実験の結果、タスクAではEE群とHE群との間で脳血流動態に有意差は認められなかったが、タスクBではHE群で酸化ヘモグロビン量が有意に増加し、この群間差は特に左脳において顕著であった。これらの結果から、義務教育以上の音楽教育を受けることにより不協和音の聴取が側頭葉(特に左脳)の機能に影響を及ぼす可能性が示唆された。"

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