初期ドラッカーの研究について : 井坂康志『P.F. ドラッカー-マネジメント思想の源流と展望-』を中心として

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タイトル別名
  • ショキ ドラッカー ノ ケンキュウ ニ ツイテ : イサカコウシ 『 P.F.ドラッカー : マネジメント シソウ ノ ゲンリュウ ト テンボウ 』 オ チュウシン ト シテ
  • ショキ ドラッカー ノ ケンキュウ ニツイテ : イサカ ヤスシ P.F ドラッカー マネジメント シソウ ノ ゲンリュウ ト テンボウ オ チュウシン ト シテ
  • Critical Comments on the Study of Early Drucker : Concerning Isaka's Recent Book

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説明

ドラッカーはマネジメントの代表的理論家でありコンサルタントとして有名であるが,彼の初期の論考がナチズム批判に始まることはあまりよく知られていない。また知る人もかつてのドラッカーはそうだったのかという程度にしか受け止めていない。ここで取り上げる井坂康志の新刊は初期のドラッカーに焦点を当てて「マネジメント思想の源流と展望」を探求している。ドラッカー研究の開拓者は藻利重隆であるが,初期へと遡って研究したのは岡本康雄であり,次いで三戸公であった。特に三戸は初期ドラッカーの中から自由論という規範論を見出し,これをドイツ経営学の規範論・理論・技術論という学派分類を適応してドラッカー理論体系を自由論・産業社会論・経営管理論からなる包括的な理論として再構成した。なかでも自由論においては,マルクスの自由論と同じくユダヤ・キリスト教に由来するものであるにもかかわらず,ドラッカーはマルクスを誤解しているとした。しかしマルクスの自由は「啓蒙的自由」の範疇から出るものではないのに対して,ドラッカーのは「保守的自由」であった。ここでは啓蒙的自由は保守的自由に包摂されるものであることを明らかにする。

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