自閉症児への療育の視点 : 母子関係の〈ずれ〉、子どもの〈語り〉に注目して

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  • 自閉症児への療育の視点 -母子関係の<ずれ>、子どもの<語り>に注目して-
  • ジヘイショウジ エ ノ リョウイク ノ シテン : ボシ カンケイ ノ 〈 ズレ 〉 、 コドモ ノ 〈 カタリ 〉 ニ チュウモク シテ
  • Perspectives of Education and Training of Children with Autism Attention to Estrangement of Mother-to-child relationship and Narrative of child

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自閉症児とその母親の関係は一般的に築かれにくい。自閉症児が侵襲的な世界にいることから〈安心〉を得にくく,甘えを発達させるのに時間がかかるからである。一方,母親は自らと同一視して子どもの行動の意味すなわち〈語り〉を読み取ろうとするものであるが,自閉症児の場合,その独特の感性から母親は子どもの〈語り〉を捉えにくく,子どもが〈わからない〉と感じがちである。それが母親に子どもの〈語り〉を理解しようとする姿勢を失わせ,母子の一体感を失わせる。「自己」は母親との一体感からつくられるため,自閉症児は「自己」が脆弱になり刺激に敏感になっている。母子の一体感を支援することが自閉症児の母子には必要である。そのためには,自閉症児の〈語り〉の意味を理解しようとする母親の姿勢を支えることが必要である。この姿勢から,母親が自閉症児の〈語り〉を理解し,自閉症児が〈安心〉できるかかわりをすることができる。同時に〈語り〉と向き合う方法が見えてくることで,母親も〈安心〉し,母子関係は改善していく。また,母子関係の維持には甘えが必要である。自閉症児療育での母子支援には,自閉症児の甘えに母親が気づけるような支援も必要である。

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