ソーシャル・キャピタル論の統合報告への含意

書誌事項

タイトル別名
  • Implications of Social Capital Theory on Integrated Reporting : From the Point of View of Intangibles
  • ソーシャル・キャピタル論の統合報告への含意 : インタンジブルズの視点から
  • ソーシャル ・ キャピタルロン ノ トウゴウ ホウコク エ ノ ガン イ : インタンジブルズ ノ シテン カラ

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抄録

国際統合報告の開示フレームワークにおいてソーシャル・キャピタル(SC)は、組織が構造化された開示を行ううえで有用な6つの資本の1つとして採り上げられている。SCと類似の協働意識は、わが国において長く共有されてきたが、「失われた20年」を経て、個人業績偏重の人事制度や雇用形態の多様化もあって、近年、社員間の信頼関係や繋がり(企業帰属SC)が崩壊しつつある職場もみられるようになってきた。こうした中、新しい時代環境に則した形で組織内連携のあり方を問い直し、日本企業の世界に誇るべき資本の維持・強化とその開示につなげていくことが望まれる。この間、会計学の領域において企業内外の関係性は、インタンジブルズの研究として進展してきたこともあって、SCの概念そのものが正面から論じられることは少ない。本稿では、SCという関係性の概念を用いることによって、SCに起因する各種インタンジブルズの同質性を包括的に理解し、企業の過少収益力を惹起する「負のインタンジブルズ」の態様に係る研究に繋げたい。こうした考察は、SC(チーム力等)という日本の伝統的強みの源泉を再認識し、その負の側面をいかに減らすかのマネジメントにつなげ、日本企業の優位性を統合報告書で投資家にアピールすることにも貢献可能と考えられる。

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