シェイクスピア劇と 古典芸能の比較演劇研究 : 「能・ロミオとジュリエット」に焦点を当てて

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タイトル別名
  • A Study on the Comparative Theatres of Shakespeare’s Plays and the Classical Performing Arts: Focusing on the Noh Romeo and Juliet
  • シェイクスピアゲキ ト コテン ゲイノウ ノ ヒカク エンゲキ ケンキュウ : 『 ノウ ・ ロミオ ト ジュリエット 』 ニ ショウテン オ アテテ

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抄録

論文

本稿は、2015年12月8 日(水)に東京・国立能楽堂で初演された『能・ロミオとジュリエット』(原作:シェイクスピア・翻案:宗片邦義)の公演を取りあげ、シェイクスピア劇と日本の古典芸能である能楽が、いかに「ハイブリッド」な演劇として上演されたかを、比較演劇学の視座から考察したものである。 原作の悲劇と能の様式に翻案された古典芸能を比較し、(1)劇的効果を生むドラマトゥルギー(2 )舞台構成(3 )演出法の3 点に焦点を当てて分析し、その相違点と類似点を指摘する。 シェイクスピアは、恋愛悲劇のひとつとして『ロミオとジュリエット』を書き、愛と憎しみの対立する状況の中で、「赦し」をテーマにし、二人の<死>によって<愛の永遠性>を描いたが、『能・ロミオとジュリエット』では、シェイクスピア劇に能の様式が融合され、ロミオとジュリエットの霊が白装束であらわれ、二人は舞ながら昇天してゆく場面で終わる。 本稿の目的は、このような『能・ロミオとジュリエット』のインターカルチュアル(intercultural)な特色を検証し、「融合文化」の事例研究として『能・ロミオとジュリエット』の上演意義を明らかにすることにある。

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