川越市の産業活動の空間的展開に関する一考察

書誌事項

タイトル別名
  • A Study on Spatial Development of Industrial Activities in Kawagoe City
  • カワゴエシ ノ サンギョウ カツドウ ノ クウカンテキ テンカイ ニ カンスル イチ コウサツ

この論文をさがす

抄録

論文

地理学における大都市圏を対象とした研究は、大都市圏全域の構造を捉えるアプローチと、特定の地域に限って、実情を明らかにするアプローチがみられる。前者の研究では、様々な指標を用いて大都市圏の構造、成長や衰退を検討している一方で、後者の研究では、大都市圏の製造業、小売業、サービス業などの実態を明らかにしている。しかし、大都市圏内の個々の地域について、地域内の様々な産業活動を分析し、その空間的展開を捉えた研究は限られる。本稿では、埼玉県川越市を対象に、この点を検討する。川越市は、東京都心部から約30kmの郊外都市で、第一次産業では農業、第二次産業では製造業、第三次産業では商業やサービス業、観光業を主としている。川越市では、主要な鉄道駅付近で商業やサービス業が卓越し、中心市街地の歴史的地区においては観光関連産業が展開されている。周辺部では、郊外型の商業施設、工業団地や卸売団地が形成されている。その他の周辺部では農業が中心で、台地上では畑作、河川付近では稲作が顕著である。各産業には、大都市圏内部という地域的特徴が色濃く反映されること、大都市圏全体と同様に、郊外都市内部にも地帯構造がみられることを指摘した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ