東北地方における血友病インヒビター調査のまとめ

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タイトル別名
  • The incidence of inhibitor (anti-FVIII/8 or anti-FIX/9 alloantibody) development in patients with hemophilia in the Tohoku region (North-Eastern Japan)
  • トウホク チホウ ニオケル ケツユウビョウ インヒビター チョウサ ノ マトメ

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抄録

論文(Article)

【目的】東北地方においては、従来の調査で血友病の頻度は国内の他地域と同等であるに も拘わらず、凝固第VIII/8因子インヒビターの発生は全国平均に較べて少なく、更に検 討が必要と考えられたので、新たに調査を行なった。【方法と結果】2006年調査の東北地方全患者数(合計401名)の20.4%にあたる81例の調 査票が回収され、うち血友病A14例について第VIII/8因子イントロン22逆位を検索した。 出血症状等臨床所見は従来知られている所見と同様であった。凝固因子製剤による定期 補充療法は、重症度、年齢層を問わず約50%の例で行われており、全国と同様の普及が 見られた。インヒビターの保有率は全血友病患者の9.9%、血友病A患者の11.9%、血友 病A重症型の19.5%であり、全国と同等の結果であった。第VIII/8因子イントロン22逆 位は検索し得た血友病A症例の29%に認められ、少数例の検討であるが、全国とほぼ同 等の結果であった。インヒビター症例では検索し得た2例中1例に認められた。【結論】今回の調査ではインヒビターの保有率、代表的な第VIII/8因子遺伝子異常の保有 率とも東北地方の地域的特異性は認められず全国とほぼ同等であり、同レベルの医療が 保証されていると思われる。

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